調剤薬局勤務における医療事務職の特徴

調剤薬局勤務の特徴

医薬分業による院外処方が一般的に

 少子高齢化・医療患者の増加に対応する為、国の方針により、厚生労働省が主体になって医薬分業が押し進められてきました。

従来は、病院で診療を受けた後、病院内で処方した薬を受け取る院内処方が主流でした。

最近では診療は病院で受診した後、医師から処方箋を受け取り保険薬局(調剤薬局)の受付に提出して、薬剤師が薬を調剤して患者に服薬指導を行い手渡す院外処方へと仕組みが大きく変化しています。

医薬分業以降、このような変化に対応するためにドラッグストアや薬局が増加傾向にあり、それに伴う医療事務職員の求人も多くなっています。

保険薬局(調剤薬局)は、事務的な業務を行う医療事務職員、薬の調剤・販売を行う薬剤師、調剤はできないが販売を担当する登録販売者などによって運営されています。

 因みに登録販売者とは、2009年4月当時から薬事法が改正され、新しくスタートした制度です。

薬剤師でなければ従来は医薬品を販売できませんでしたが、登録販売者は一般用医薬品の第2類と第3類については販売できるという資格になります。

実際市販されている一般用医薬品の第2類・第3類の医薬品は全体の95%以上を占めているので、薬剤師の業務上の負担も軽減され調剤や服薬指導に専念できるというメリットもあるようです。

 また、市販薬には、スイッチOTC薬もあり、OTCはOver The Counterの頭文字をとって名付けられています。

スイッチOTC薬は、元々医師による処方箋が無ければ使用できなかった医療薬が、その後、薬局などでも販売できるように承認され店頭で購入できるように許可された薬のことを指します。

 話を戻しますが、薬局の医療事務職員は、調剤事務とも言われ調剤報酬請求業務や会計業務を主に担っています。

医療事務職員は、調剤報酬に関する専門知識を活かしレセプトの作成・算定・請求を行いますが、薬剤師が行う調剤業務に関しては補助できませんが、それ以外ではサポートする役割があるので、登録販売者や薬剤師とも連携しながら作業を進めることが必要になります。

先発医薬品・後発医薬品とは

 医療用医薬品を使用する場合は、必ず医師による処方箋が必要になります。

また、この処方薬には新薬である先発医薬品と、新薬の特許期限が切れたリメイク薬ともいえる後発医薬品(ジェネリック)があります。

ジェネリック医薬品は、新薬として発売された医薬品の特許期限切れの後に、違う医薬品製造会社が有効成分や製造方法は全く同じ条件で薬を作成し販売される医薬品のことです。

なので、莫大な開発費用は不要で同じ製造ノウハウで造れるため、販売価格は新薬の時より安くなっています。

このようにジェネリック医薬品には大きなメリットがありますが、日本では海外と比較して使用頻度が低く、使用されている全医薬品数の10%程度しか市場に流通していません。

ヨーロッパなどの先進国では40〜50%の割合で使用されており、大きな差があると日本ジェネリック医薬品学会が報告しています。

 このような状況が続くと医療費の財政負担が増大し圧迫されるので、政府は医療費を抑制するために、薬価引き下げやジェネリック医薬品の使用を推進してきました。

 その結果、2008年4月以降は、処方箋に「ジェネリック医薬品に変更することは不可」と記載されていれば、患者が要望してもジェネリック医薬品に変更できませんが、記載がない場合は、医師が承諾せずとも、患者が要望すれば、薬剤師が提案したジェネリック医薬品に変更することが可能になっています。

今後は、後発医薬品(ジェネリック)の認識も世間で高まっているので、広く使用されるように変わっていくと考えられます。

調剤薬局勤務の医療事務員の1日の仕事内容

 調剤薬局などに務める医療事務員の一般的な1日の仕事の流れや業務内容を次に紹介します。

調剤薬局では、患者さんに安全で適性に薬を服用してもらえるようにすることが大きな目的です。

  1. 受付
    調剤事務員は明るく笑顔で接し患者さんの支えとなるように努めます。
  2. 処方箋の受け取りと確認
    処方箇を患者さんから受け取ります。

    次に患者さんの基本情報や薬歴を確認し、容態にも注意して、気になる点は薬剤師に報告します。

  3. 調剤・監査
    薬剤師は処方箋に従い、薬の調剤や監査を実施します。
  4. 服薬指導
    薬剤師は患者さんが安心して薬を使用できるように、薬効成分や効き目、飲み方使用時の注意点などの服薬指導を行い、疑問があれば丁寧に説明します。
  5. 薬歴管理
    調剤・服薬指導に活用するために患者別に体質や体調の変化、処方内容などを薬歴簿に記録します。
  6. 会計
    患者さんが負担する薬代を計算し請求しますが、同時に患者さんが安心して帰れるように心配りが必要です。

地域に密着したかかりつけ薬局を目指す

 最近の医療業界では、医薬品を扱う薬局などが最も大きな影響を受けているようです。

昔はの薬局はほとんどが個人経営で、来局した患者さんから相談を受け容態を聞きだして適切な医薬品を販売するというスタイルが主流でした。

ですが、医療技術の発展や医療制度の導入により、医薬分業の推進もあって薬剤師と医師の役割分担がより明確になってきましたが、専門化が進むにつれて流れについていけず不都合を感じる患者さんもいます。

患者側の立場からすると、分業化専門化しすぎた医療機関では、気軽になんでも相談できるような組織造りが困難で、縦割りの役所仕事のように機械的に対応しがちです。

そういう面では、相談も安心してできる地域に根付いたかかりつけ薬局が必要になってくるといえます。

 介護保険制度が導入されて以降、高齢化社会に突入した現在、訪問介護や訪問看護が一般的になっていることを考えると、患者さんを待つのではなく、薬剤師が出向いて服薬指導を行うような状況になるのではと考えられます。

高齢者や病気の患者さんが安心して相談できるには、医療事務員も専門的知識だけでなく、心にゆとりをもって笑顔で応対できるように心がけたいものです。

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