医療事務スタッフが働ける職場

 医療機関は、医療事務が働く場合の主な職場になりますが、ここでは、医療機関の種類と各施設の特徴や概要から、どのような施設があるのか解説していきます。

病院と診療所の違いとは何か

 医療機関の種類は、まず大きくは次の2種類に分かれます。

保険医療機関では、診療行為にかかった費用に対して医療保険が適用され、原則、患者の自己負担額は治療費全体の3割負担となります。

自由診療機関では、診療行為にかかった費用に対して医療保険が適用されず、患者が治療費を全額自己負担する必要があります。

さらに、保険医療機関には、病院と診療所があり、次のように定められています。

病院とは、患者が入院することが可能なベッド数が20床以上備えられている施設のことを言います。

診療所とは、患者が入院することが可能なベッド数が1〜19床以下、もしくは入院できる設備が備えられていない施設のことを言います。

病院にもいろいろな種類がある

 患者が入院できるよう20床以上のベッドが設置されている施設である病院は、さらに一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床という病床(入院施設)の種類によって、区分されています。

次の病床(入院施設)を備えている医療機関は、それぞれ次のように呼ばれています。

  • 一般病院:一般病床や療養病床を備えている医療施設
  • 精神病院:精神病床のみ備えている医療施設
  • 感染症病院:感染症病床のみ備えている医療施設
  • 結核療養所:結核病床のみ備えている医療施設

診療所は地域と密着した医療機関

 病院に区分されている医療機関は規模が大きく、診療科も多く窓口も分かれていて医療設備も充実しているところが多くあります。

一方、各地域で医師が個人診療を行っているような規模の小さい診療所は、病院と比較すると規模や設備の面では劣りますが、クリニックや医院と呼ばれており、各市町村に多く開設されていて、地元に密着した医療サービスを提供しているのが特徴です。

診療所は、地域に住む高齢者から幼児まで大人や子供などの住民が、比較的軽い病状の風邪・腹痛・頭痛などを発症した場合に、気軽に通院し診察してもらえる医療施設です。

皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・内科・外科・整形外科など一つの診療科に特化して診療を行っているところがほとんどで、医療事務が働く場合は、医科の医療事務資格を取得しておく必要があります。

歯科の医療事務資格を持っていても業務上では、ほとんど役に立ちません。

歯科医院も診療所の一つ

 診療所には、先ほどの医科の診療科と歯科医院のような歯科の診療科があります。

歯科医院で医療事務の仕事をする場合は、医療事務とは別に歯科助手と言う名称でも呼ばれています。

歯科医院での業務は、医療事務の専門業務である診療報酬請求事務だけでなく、受付窓口の患者応対や診察の予約管理、診療現場では、器具の準備や管理など、歯科医師や歯科衛生士の業務をサポートすることも重要な業務になります。

医科の医療機関では、診療現場で医師の作業をサポートすることはありませんが、歯科医院の場合は、歯科助手としての作業量も多くなります。

 また、歯科医院に就職する場合は、歯科医療事務又は歯科助手の資格講座を受講し資格取得していないと、医科医療事務の資格では、ほとんど役に立ちません。

この逆のパターンも同じです。

医療機関の種類

 医療機関の施設の種類を再度整理すると、保険医療機関は、診療所と病院に分類され、さらに次のように細かく区分されます。

医療機関 保険医療機関 病院 一般病院
精神病院
感染症病院
結核診療所
診療所

・医院
・クリニック
・歯科医院

無床診療所
有床診療所
(1〜19以下)
自由診療機関

働ける職場は調剤薬局など他にも多数ある

 医療事務が活躍できる職場として病院などの医療施設以外でニーズが高まっているのは、調剤薬局の職場があります。

これは、少子高齢化により、高齢者が増加する一方ですが、それに伴って患者数も増加しています。

このような社会環境の変化に対応するため、国は医薬分業を推進してきました。

医薬分業とは、医療は医師に任せ、医薬品は薬剤師に任せて専門性を高め安全性を向上させ、医師が医療に専念できるような環境を整えようとして分業化を行ってきたしくみです。

また、医薬品についても薬事法の改正が行われ今までは薬局でしか販売できなかった薬が一般小売店での販売も可能となり、調剤業務を行うドラッグストアが増加しています。

 このような大きな変革にともない、調剤事務員の需要も年々高まっているのが現状で、調剤薬局においては、診療報酬請求事務ではなく、調剤報酬請求事務の業務を担います。

また、医療事務は現在の超高齢社会真っ只中にある日本社会において、患者が在宅で療養を行っている場合にサービスを提供する訪問看護ステーションなどの職場でもニーズがあります。

その他には、求人は多くありませんが、次のいような職場もあります。

  • ホテル併設のクリニック:宿泊者に対して診療を行う。
  • 企業内診療施設:健康診断、体調不良や怪我などの処置を行う。
  • 健康増進センター:地域住民に対して健康増進を促進する。
  • 医療関連企業:医療に関する製造・販売・サービスなどを行う。
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