オペレータ業務-医療事務仕事10

医療事務のオペレーション業務とは

 従来は、外来指示票やカルテに医師が診療内容を手書きで記入し、医療事務はこれらの内容を確認しながら診療報酬の点数を計算し、紙媒体でレセプトを作成して診療費請求を行っていました。

最近、多くの医療機関では、レセプトコンピュータ(通称:レセコン)のコンピュータ処理システムを用い点数計算できるようになっています。

診療内容を入力すれば自動で診療報酬点数を計算してくれる仕組みになっており、このシステム導入でレセプトの作成作業は、より楽で迅速に行え計算間違いも激減しました。

 しかし、点数を自動計算できるといっても、レセコンに診療情報を入力する必要があり、伝票を見ながらコンピューターに打ち込む作業が生じます。

この作業はオペレーション業務と呼ばれ、規模の大きい医療機関では、担当部署があり、医療事務がそこで一括してデータ入力を行っています。

この他にも電子カルテを導入する病院も多くなっているので、このオペレーション業務の必要性は今後も高まっていくことが予想され、パソコン操作の基本スキルは必須です。

但し、コンピュータシステム化で作業が自動化・合理化され便利になっても、入力するのは人による手作業になるため、医療事務は診療情報の基本となるカルテを迅速的確に読み取る知識は必ず必要になります。

以上のように受付業務から保険診療費の請求業務の中で、患者データの入力、電子カルテや電子レセプトの作成までコンピュータを活用してデータ処理を行う仕事がオペレータ業務と言われるものです。

医療事務オペレータの主な仕事内容

 医療事務が行うオペレーション業務の主な仕事には次のようなものがあります。

  • 患者データの入力
  • 診療データや処方箋データの入力
  • レセプト・コンピュータに診療内容の入力を行う会計処理
  • 電子カルテの作成と管理
  • 電子レセプトの作成と管理
  • レセプト・コンピュータでの算定点数と請求金額のチェック

医療分野のIT化推進の流れ

 レセプト業務の負荷軽減と医療事務処理の迅速化を目標として、保険者・医療機関・審査支払機関が同一規格の統一システムを活用できるよう2001年に厚生労働省が「保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン」という施策方針を打ち出しました。

これは、厚生労働省と審査支払機関が連携・協力し、1999年4月以降、紙レセプトから電子レセプトで提出できるような仕組みを構築するというものでした。

また、病院のレセプト電算処理システムの普及目標を、2004年度には50%以上に、2006年度には70%以上へ引き上げることを目標として設定されていました。

電子レセプト導入のメリットと普及率

 レセプト電算処理システムのことを通称で電子レセプトと呼びます。

今まで医療事務がレセプトコンピュータにデータ入力すると点数が自動計算されるので、その後レセプトをプリントアウトして診療報酬の請求を行っていたのを、このシステムでは、フロッピーディスクやMOなどの電子媒体に診療報酬データを保存し請求を行えるようにしたものです。

 電子レセプト導入のメリットは、レセプトの印刷・仕分け・編綴などの業務が不要となり、作業時間と人件費が大幅に削減できることです。

さらにレセプト提出先の審査支払い機関での各種作業もデジタル処理できるため、業務の務効率化・迅速化につながります。

 厚生労働省によれば電子レセプトの普及率をレセプト件数で見ると、医療機関(医科・歯科)と薬局を合わせて100%近くまで普及していると報告されており、現在の医療機関では一般的な状況になっています。

レセコンや電子レセプトの普及で点数は自動算定され計算ミスはなく、業務効率もアップし保管書類が大幅に削減されました。

なので、医療事務の仕事は、患者の診療内容を日々レセプト・コンピュータに入力し、月末から翌月10日までのレセプト期間中は出力されたデータに間違いがないか点検を行う業務がメインになっています。

医療機関の各種業務のIT化が進むにつれて、医療事務のオペレータ業務の需要も高まっていくと予想されます。

但し、全ての医療事務作業には、専門知識と技能を身に付けていることが必須条件となります。

電子カルテ導入のメリットと普及率

 医療現場では画像診断やデータ処理などIT化は大きく進展していますが、事務処理作業を合理化することができる電子カルテや電子レセプトの導入も進んでいます。

カルテは患者の診療履歴を記録する重要なデータで、従来は医師や看護師が紙カルテに手書き記入していましたが、電子カルテのシステム導入で、パソコンやスマホから診療内容を入力し記録しておけるようになります。

電子カルテ導入のメリットとしては、紙ベースのカルテとは違い、必要な時に患者情報をすぐ検索し閲覧又は情報入力することが可能で、今までのようなカルテの取り出しや収納、搬送などの作業が簡略化でき、保管場所も省スペース化できるメリットがあります。

2001年から厚生労働省主導で電子カルテ導入が進んでいきましたが、設備やシステム導入に高額な費用が必要になるので、2016年時点で病院では約30%、診療所では約16%の導入率となっており、紙カルテから電子カルテへの移行が大きく進んでいる状況とはいえません。

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