ホスピタリティの考え方に基づき患者満足度を高めるには

医療職はホスピタリティの考え方を理解し実践することが重要

 患者ファーストの医療サービスを行うには、ホスピタリティを実践することが基本になります。

ここでは、医療機関に従事する医療事務職や医療専門職に必要なホスピタリティという言葉の意味を考えていきましょう。

ホスピタリティとは?

 日本では「おもてなし」という言葉がありますが、お客さんや友達を手厚く親切に向かい入れることをいいます。

他人を温かく笑顔で向かい入れる慣習がある国は海外にも多くありますが、その中でも日本は、控えめで協調性を重んじ他人に気配りする文化が定着しており、ホスピタリティ精神と似かよった部分が多くあります。

ホスピタリティには自分の意思で自由に物事を選択できるという考え方があり、さらに自由選択を尊重するという理念も備えています。

お客様の保護者という意味のホスペスというラテン語が元となりホスピタリティという言葉が誕生し、ホスペスから客を歓待するという意味のホスピタリスが元になりホスピタルという言葉が誕生したと一説では唱えられています。

ホスピタリティという言葉には、人間同士の相関関係を指し示す普遍的概念が存在しており、この考え方を意味する日本語が「厚遇・もてなし・歓待」という言葉で表現されているようです。

但し、この言葉から推測するとサービスの概念と同じではないかと思われるかもしれませんが、ホスピタリティの持つ概念と同じではありません。

ホスピタリティと一般サービスはどう違うのか?

  ホスピタリティの考え方 サービスの考え方
立場 患者(顧客)はお客さんであり、医療職(サービス担当者)は主人である。 顧客(患者)は主人であり、サービス担当者(医療職)は従事者である。
関係性 対等で相互関係にある。 限定的な主従関係にある。
概念 患者の欲求を充足させることのみが目的ではなく、さらに温かく手厚いもてなしを行うべきである。

相互的な理解・信頼・扶助・発展などが基本。

顧客の欲求に応えることのみが目的となる。

一方的な理解・信頼・利得・方向・依存などが基本。

サービス 患者の期待感・満足感に応える心理面でのサービス。 顧客の欲求を充足させるためだけの物理面、機能面が中心となったサービス。

患者が満足する医療サービスとは

 医療機関側は、患者各自が求めているものが何かを正確に把握することで、患者の期待度や満足度を高めることが可能になります。

患者が来院して受付窓口で医療事務員と接する場合、医療専門家から診療を受ける場合に望んでいることは何でしょうか?本来の医療機関のあるべき姿についてみていきましょう。

患者が求める医療機関の姿とは?

 診療報酬の引き下げ改定や医療機関の厳しい競合時代に勝ち残っていくには、医療技術だけでなく患者を心から満足させ信頼関係を築くことが必要です。

病院に対する感想を患者に尋ねた実態調査では、「雰囲気が明るく気持ちがいい、意見を聴き相談にのってほしい、病気の早期完治を望んでいる、緊急時には時間外でも応診してくれる、医療費が高い病院は敬遠する、適正で適切な治療を受けたい、待ち時間を短かくしてほしい、丁寧で親切な対応をしてくれる」などの意見が寄せられています。

 以上の実態調査より、医療機関のあるべき姿、特徴が浮かび上がってきます。

  • 人命第一の職種のため、医療技術、安全性、信頼性が高いこと。
  • 医療職は、技術や知識以外に、気遣いや気配りといった人の気持ちに配慮できる対人能力やコミュニケーション能力を身に付けることが必要。
  • 清潔感、利便性、安全性が確保された医療環境を提供すること。
 理想論かもしれませんが、患者が大満足する病院のイメージを挙げるなら、 「病院の職員は明るく親切・丁寧で優しさや思いやりがあり信頼でき、療養環境は清潔・快適で、医療技術は安全で質も高く、安心して診療を受けることができる病院」とも言えます。

患者満足度をどう捉えるか?

 病院で診療を受けている多くの患者は下記の4項目について満足できるサービスが提供されることを期待しています。

  • @医療サービスの質:信頼性があり安全で安心できる。
  • Aホスピタリティ:思いやりや気配りなど温かみを感じれる。
  • Bアメニティ:快適性の高い環境や対応。
  • C利便性:通いやすい、使いやすいなど利用者にとっては都合がよい環境。

 患者は、上記の4項目に対して、治療を受け終わった後に感じるD快不快の感情とE支払った費用とを天秤にかけて、医療サービスの良し悪し(価値)を判断しているのだと言えます。

この状態は、医療サービスの良し悪し(価値)=患者満足度=@×A×B×C/D×Eというような数式で表現できるかもしれません。

多くの患者は、高度な医療技術の提供だけを求めているのではなく、安心して安全な診療を受け満足できる状態を求めています。

端的に言うとこの病院でこの医者に診てもらい助かったと患者が感じれるようなサービスを提供することで、病気などになった場合、また来院してもらえることに繋がります。

患者に何回も来院してもらうためには、医療スタッフ各自が高度な知識や技能などを有していること、ホスピタリティを身につけていることが重要なポイントになります。

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