調剤薬局で働く医療事務の1日の仕事

調剤薬局で働く医療事務の仕事と担う役割とは?

 国主導の医薬分業により、医療事務職の一つである調剤薬局の仕事も注目されています。

調剤薬局事務が注目されてきた理由とは

 医薬分業化は、現在日本社会の課題である少子高齢化による患者数増加に対する医療サービスの充実、医療費財政負担の抑制を目的として国が長年主導して取り組んできた仕組みです。

具体的には、診療は医師に、薬は薬剤師にと、それぞれの専門家に任せ効率的で経済的に安全な医療サービスを提供することを目的として推進されてきました。

 以前は、病院内で薬を受け取ることが多かったと思いますが、最近では、この影響で病院や診療所で診療を受けた後に処方箋が発行され、調剤薬局に行き窓口に提出することで薬剤師が薬を調剤し、患者に交付するという院外処方が一般化してきました。

このような社会的に医療サービスの仕組みが変革するなかで、調剤薬局をドラッグストア内に併設したり、フランチャイズ展開する民間企業が多くなってきた影響で、調剤事務の人材も注目され求人募集も目立つようになってきました。

調剤薬局の職務分担は明確に区分されている

 薬局内で薬剤師だけが薬を調剤したり扱うことが法律上許されていますので、調剤薬局では薬剤と事務の仕事は全く異なり、調剤薬局で働く調剤事務員は、調剤助手とも言われます。

最近では登録販売者と共に調剤事務も配置する店舗も多くなっています。

調剤薬局事務の仕事の流れと業務内容

 調剤薬局では次のような流れで仕事が行われています。

  1. 処方せんの受け取り
  2. 薬歴簿の作成・処方入力
  3. 薬剤師による調剤・監査
  4. 薬剤師による服薬指導・処方薬の手渡し
  5. 薬剤費の請求など会計

 来局した患者が持ってきた処方せんやお薬手帳を受け取ることから調剤薬局での調剤事務の仕事がスタートします。

初めての患者の場合は、問診票を渡し、住所・氏名、服用中の薬の有無と種類、薬による副作用の有無、病歴などを確認しながら、病院の診療録(カルテ)に該当する薬歴簿にコンピューター入力し記録に残します。

調剤室で薬の調剤を行う薬剤師に処方せんを渡し、処方せん内容を薬剤師がチェックした後、コンピュータ入力して、調剤報酬の費用を計算します。

最近では、使用した薬の種類や効能などの薬情報が記載されたラベルを貼り付け、薬歴が分かるようにしたお薬手帳を発行し患者に渡すのが一般的になってきました。

患者に薬の飲み方や使用時の注意事項など服薬指導を薬剤師が行った後に、薬を渡し薬代の会計を行います。

また、調剤薬局で働く調剤事務は、病院の医療事務が行う診療報酬明細書に該当する調剤報酬明細書を作成し、期限内に保険者に請求するレセプト業務を毎月行う必要があります。

調剤薬局で働く医療事務職の実態

接客業の経験を活かして働ける調剤薬局の職場

 調剤薬局事務の資格を取得して薬局に就職した場合は、病院の医療事務と同じで受付窓口で患者応対を行うことになります。

受付にはいろいろな年齢層の患者さんが訪れるので当然接客マナーやコミュニケーション能力も求められます。

なので、販売店や飲食店などでの接客経験などがあれば十分生かすことができる職場です。

薬の点数はパソコンでわかるシステムになっている

 調剤事務の1日は、まず処方せんを受付で預かり薬剤師に渡したり、薬を仕入れた際にはデータ入力したり、薬歴簿を管理したり、会計業務などやることは尽きません。

また、医療事務資格を持っている方が調剤事務の仕事に就く場合がありますが、医療事務の場合は病院の診療内容の点数計算が中心になり、調剤事務の場合と異なる部分もあり老人医療保険の種類も多く戸惑うことも少なくありません。

最近の薬局では、薬剤名をパソコンに入力すると薬の点数が分かるようになっているので大変便利ですが、パソコンに依存しすぎると間違ってもすぐに気付くことができなくなるので、基本的なレセプト作成はしっかりマスターしておくべきです。

薬剤師が仕事をしやすい環境を整えるのも調剤事務の重要な役目

 薬剤師がスムーズに仕事を進められるように、薬の受け取りで患者に待たせることのないような職場環境を整えるのも調剤薬局事務の重要な役目です。

また、薬剤師と連係して仕事を進めていく職業なのでいかに上手く協力し合えるかということも考える必要があります。

薬剤師がスムーズに作業に専念できるようにサポートすることが調剤事務の役目でもあるので、自分から進んでできることは積極的にフォローしていく姿勢が大切です。

 薬剤師が快適に仕事に取り組めるようにすることで作業が順調に進み、患者さんを待たすことなく早く薬を渡すことに繋がり、患者さんへのサービス向上にも反映されるようになります。

さらに、薬剤師も薬の使用や注意事項など服薬指導を患者さんにじっくりと丁寧に説明する余裕もできるので、薬局側・患者側双方にメリットが生じます。

実際、調剤薬局に勤務するようになってから薬を安全・効果的に服用するには、用量・用法を守ることが最も大切だということが改めてはっきり理解・認識できたという方も少なくありません。

このことから、薬剤師がしっかり患者さんと向き合い服薬指導できるようにサポートすることは、調剤薬局事務の重要な業務と言えます。

調剤薬局に勤める医療事務の1日の業務

 処方せんの受付に始まり調剤薬局で行う仕事は様々ですが、実際の1日の業務を見ていきましょう。

時間 業務 内容
8:45〜 出勤

朝礼

開店準備
朝礼が終了すればシャッターを開け開店準備を行う。
9:00 〜 処方せん受付

患者応対

会計
受付に処方せんを持参した患者が来局するので受け取る。

患者や処方せんのデータ情報をパソコンに入力する。

要領よくデータ入力を済ませ薬剤師に処方せんを渡す。
13:00 〜 昼休憩

12時前後の時間帯に1時間ずつ交代制で休憩する。

14:00 〜 処方せん受付

会計

レセプトのチェック
処方せん受付や薬剤費の会計を行う。

月末の業務負荷を軽くできるように、事前にできる範囲のレセプト作業は済ましておく。

18:00〜 閉店

片づけ

シャッターを閉め片付けを行う。

月末のレセプト作成については、閉店時刻修了後に作業するが、最近はコンピュータ化が進んでいるので、残業は少なくなっているところが多い。

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